[廃校舎] メチャ子 :
[廃校舎] メチャ子 : 恐怖に関する理解が浅いメチャ子は恐怖を学ぶために何かと噂の多い廃校舎の前にいた
[廃校舎] メチャ子 : 「ここね」
[廃校舎] メチャ子 : 中に入る
[廃校舎] メチャ子 :
[廃校舎] 島村 抱月 : 酷い人口密度だったものだ。
[廃校舎] 島村 抱月 : アヤをこっそりと見送った私は、とりあえず人気のない方へと向かった。
[廃校舎] 島村 抱月 : 「……この辺、不気味だなあ」
[廃校舎] 島村 抱月 : 人がいないから不気味なのか不気味だから人がいないのか。
[廃校舎]
島村 抱月 :
卵が先か鶏が先かのような議論。
気づけば廃校舎の前である。
[廃校舎] 島村 抱月 : 「……」
[廃校舎] 島村 抱月 : 辺りを見回す。まだここには人目がある。
[廃校舎] 島村 抱月 : 人気のない空気がほしかった。
[廃校舎] 島村 抱月 : 廃校舎の昇降口は……開いている。先客がいるのだろうか?
[廃校舎] 島村 抱月 : まあ、どうせ会うこともないだろう。
[廃校舎] 島村 抱月 : 廃校舎へ足を踏み入れる。
[廃校舎]
島村 抱月 :
[廃校舎] 島村 抱月 : 思ったより暗いな……
[廃校舎] 島村 抱月 : 廊下を歩く。
[廃校舎]
島村 抱月 :
窓際には机やら椅子やら資材やら。
光が通らない。
[廃校舎]
島村 抱月 :
ひとまず屋上でも目指しますか。
室内はちょっと埃っぽいんだ。
[廃校舎] メチャ子 : 突如暗闇の中からヌッと見開く四白眼
[廃校舎] 島村 抱月 : 「っ!?」
[廃校舎] 島村 抱月 : ビクリと身をすくませ数歩下がる。
[廃校舎] 島村 抱月 : 「な、あっ、あ……」
[廃校舎] メチャ子 : 「…?誰アンタ?」
[廃校舎] 島村 抱月 : 「……お化けだーーー!?」
[廃校舎] メチャ子 : プツン
[廃校舎] 島村 抱月 : 慌てふためいてわちゃわちゃと後ろへ下がろうと……
[廃校舎] メチャ子 : その言葉に対し壁ドン
[廃校舎] 島村 抱月 : 「!?」
[廃校舎] メチャ子 : 壁が砕ける音
[廃校舎] メチャ子 : 「人の顔見て失礼ねアンタ…」
[廃校舎] 島村 抱月 : 失礼とか無礼とかよく言われる日だ──!
[廃校舎] 島村 抱月 : 「あ、あの……すいません。言葉の綾と言いますか……」
[廃校舎] 島村 抱月 : 呪われちゃあ適わない。
[廃校舎] 島村 抱月 : 「す、すいませんでした……」
[廃校舎] メチャ子 : 「そもそも誰なの、貴方も怖いもの見たさで廃校舎にきたの?」
[廃校舎] 島村 抱月 : 「怖いもの見たさだったら10回分は満足してそうですね……」
[廃校舎] 島村 抱月 : 「いやいや。ちょっと、人気が無い場所はないものかと」
[廃校舎] メチャ子 : 「人気?ふ~ん…」
[廃校舎] メチャ子 : 「まあ確かにそれなら適所だわね」
[廃校舎] 島村 抱月 : 「ですよね?」
[廃校舎] メチャ子 : ほこりを払う
[廃校舎] 島村 抱月 : 「じゃあ……この辺で……」
[廃校舎]
島村 抱月 :
許された気配がする。
手早く逃げたいものだ。
[廃校舎]
:
だが廃校舎の扉は開けようとしても開かない
まるで閉じ込められているように…
[廃校舎] 島村 抱月 : あんなのがいるなんて聞いてないと昇降口にとんぼ返りした私はそれにぶち当たるのであった。
[廃校舎] 島村 抱月 : 「……!?」
[廃校舎] 島村 抱月 : 「えっなにこれ」
[廃校舎] 島村 抱月 : 扉をがっしゃんがっしゃん。
[廃校舎] メチャ子 : 「どうしたの」音を聞いて歩いてくる
[廃校舎] 島村 抱月 : 「!?」
[廃校舎] 島村 抱月 : まずい追ってきた……!
[廃校舎] 島村 抱月 : ここで昇降口から差し込む光の中で、初めて彼女の姿をハッキリ見ることとなる。
[廃校舎] 島村 抱月 : 「おば……お化けじゃ、ない……?」
[廃校舎] メチャ子 : 「アンタ人の事何だと思ってたの」
[廃校舎] 島村 抱月 : 「この世の全てを恨んでる女生徒の亡霊か何かかと……」
[廃校舎] 島村 抱月 : 誤魔化すように笑って頬を掻く。
[廃校舎]
メチャ子 :
「そんなものがいるなら会ってみたいわ」
そう、そもそもそういうのに会いに来たのだから
[廃校舎] 島村 抱月 : 「こわ」
[廃校舎] 島村 抱月 : 「いや、それよりこっちの方が怖いわ」
[廃校舎] 島村 抱月 : 昇降口の扉を揺らす。
[廃校舎] 島村 抱月 : 「なんか……開かないんだよね……」
[廃校舎] メチャ子 : 「…」
[廃校舎] メチャ子 : 「やっぱなんかあるのねこの校舎」
[廃校舎] 島村 抱月 : 扉をがしゃんがしゃん。
[廃校舎] 島村 抱月 : 「……えっ、本当に?」
[廃校舎] メチャ子 : 「そんなにやって開かないなら建てつけがわるいだけじゃないでしょ」
[廃校舎] メチャ子 : 「ほら行くわよ」抱月の手を引っ張る
[廃校舎]
島村 抱月 :
「えっちょっ」
引っ張られる。
[廃校舎] 島村 抱月 : これ、どうなっちゃうんだろう……?
[廃校舎] 島村 抱月 : こうして私はこの目つきが悪い子に引きずられるようにして、黴臭い暗闇の中に身を投じた……!
[廃校舎]
島村 抱月 :